「アマノン国往還記」(倉橋由美子)②
倉橋由美子は何十年先の世界を予見したのか 「アマノン国往還記」(倉橋由美子) 新潮文庫 モノカミ教団大司教の娘の容体が急変する。彼女の体内に送り込んだ「精霊たち」が、予定外の動きをしたためである。インリ博士は「アマノン夫...
倉橋由美子は何十年先の世界を予見したのか 「アマノン国往還記」(倉橋由美子) 新潮文庫 モノカミ教団大司教の娘の容体が急変する。彼女の体内に送り込んだ「精霊たち」が、予定外の動きをしたためである。インリ博士は「アマノン夫...
一体何のメタファーなのか? 「アマノン国往還記」(倉橋由美子) 新潮文庫 モノカミ教布教のため、アマノン国へと派遣された宣教師団。しかし国を被っているバリヤの突破に成功し入国できたのは、宣教師Pただ一人だった。浜辺に打ち...
一言でいえば「支配と被支配の逆転」 「合成美女」(倉橋由美子) (「たそがれゆく未来」)ちくま文庫 人間と見分けのつかない「合成人間」の普及した未来。倫子は夫を説得し、ついに贅沢品である美女型合成人間・ゑり子を購入する。...
全てはフェイクなのです。 「聖少女」(倉橋由美子)新潮文庫 交通事故で記憶を失った婚約者・未紀から「ぼく」が受け取ったノートには、驚愕の内容が書き込まれていた。未紀は「パパ」なる人物と関係を重ねていた。それは愛人のことな...
自ら納得して「死」に進んだ結果なのです 「老人のための残酷童話」 (倉橋由美子)講談社文庫 元判事の老人は引退後、 役所の臨時の仕事に 従事していた。 しかし、その詳細は 妻も知らなかった。 いよいよ正式採用になる前の夜...
それこそが「生きるということ」 「老人のための残酷童話」 (倉橋由美子)講談社文庫 前世紀までに出版された 全書物が揃っている図書館。 そこはただ一人の老人が 利用するだけのものとなっていた。 老人は厖大な蔵書の中から ...